Anei 2025SS Collection

スポンサーリンク

ストリートウェアはトラッドやクラシックと同様に、今やファッション普遍のスタイルとなった。一度ファッション普遍のスタイルとして根付き、数ヶ月、数年、十年と長い歳月をかけて見続けていくと、新しい方向性に進化した姿が見たくなるもの。ストリートウェアといえば、グラフィック・ルーズシルエット・ロゴといった要素が重要な役割を果たす。とりわけ、装飾性を高めるグラフィックとロゴはストリートウェアの要だろう。

しかし、だ。グラフィックとロゴに重きを置かないストリートウェアを見たいと思うことはないだろうか。共感を求めるものではないかもしれない。これは、私の個人的な感情なのだから。それでも個人的な感情を語りたいと思う。

「ミニマル」や「クリーン」といった形容が思い浮かび、心地よく快適なストリートウェア。そんな服を求める気持ちが日増しに強くなっていた。羽石裕が設立した「アーネイ(Anei)」は、厳密にいえばストリートウェアに分類されるものではないだろう。だが、「Y-3(ワイスリー)」と「ビズビム(Visvim)」の両ブランドで合わせて十年間経験を積んだ羽石が製作した「アーネイ」2025SSコレクションは、私の求めるストリートウェアのコンテクスト的魅力が備わっていた。

ブラックやグレーといった服に落ち着きをもたらすオーソドックスな色を主役に、赤みのかかったブラウン、サックスブルー、イエローがアクセントに入り込む色彩は上品であり軽やか。ブルゾンやシャツ、パンツでファスナーはダイナミックに配置され、テックウェア的要素も混じり合う。オーバーサイズのシルエットが多用されているが、柔らかで優しい素材感と上品な色彩の効果でどことなく漂う品格。ルックに写るモデルたちの姿は気怠くも美しい。

いずれも私が求めていたストリートウェア像と重なる。次のシーズンは、どんな進化を見せてくれるのだろうか。「アーネイ」の新しいステージが今、始まる。

 

Official Website:anei-official.com
Instagram:@anei_official

スポンサーリンク