ミリタリーウェアの無骨な味はそのままに、クリーンに仕上げた装いに身を包まれたい。可能なら、ディテールやフォルムもモードに振れず、色使いもベーシックを維持して。そんなファッションを望む思いは、女性にも男性にもきっとあるだろう。1941年、アメリカ・マサチューセッツ州で誕生したアウターウェアブランド「フィデリティ(Fidelity)」は、日本企画のエッセンスによって洗練と泥臭さを混ぜたワークな服を開発している。
カーキ色のファティーグジャケットはオーバーサイズで、フロントに配置されたサイズの大きい4つのフラップ付きポケットが、ミリタリーウェアのハードさを振り撒く。だが、紺の編み地にブラウンの直線が胸元に映えるトラッドなニットに、オフホワイトのパンツと合わせたスタイルに漂うのは、洗練のアーバンウェアに勝るとも劣らないクリーンな空気。
老舗ブランドのアイコンであるPコートを羽織るモデルの姿は、重厚なアウターを着ているとは思えない、1枚仕立てのジャケットを身につけているように軽やか。ネイビーのダブルビーバーで仕立てたトラッカージャケットは、厚みのある生地で作られているはずなのに、丸みのあるシルエットがフェミニンで、襟元から覗く真っ白なインナーのクルーネックがネクタイのように凛々しい。
チェックシャツ、カーゴパンツ、N-1デッキジャケット、「フィデリティ」のコレクションには古着屋を訪れたら出会えるアイテムが次々と登場する。歴史に残る名作アイテムを現代的なシルエットで再構築するが、過剰なデザインは決して施さずアイテムのDNAを尊重。実直な服づくりが、オーソドックスな服を愛する心をくすぐる。
せっかくの日曜日だというのに、目覚めたらお昼過ぎ。予定のない休日をあてもなくのんびり過ごしたい時に、華やかさとは無縁、けれどもピュア&モダンな「フィデリティ」がどこまでも一緒に寄り添う。コーデュロイパンツを穿き、ダンガリーシャツの上からCPOジャケットを羽織る。さあ、どこに出かけよう。
Official Website:fidelityclothing.jp
Instagram:@fidelityclothing.jp