昨年12月、他のブランドに先駆けて2025AWコレクションをショー形式で発表した「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス(Children of the discordance)」。2月7日、その最新コレクションの展示会に伺ってきた。訪問から約1ヶ月経ってしまったが、今回は展示会レポートをお送りしたい。会場はお馴染みの東京・渋谷某所。JR渋谷駅から歩き、静かな住宅街の中にあるビルに到着し、地下に降りていくと天井の高い開放的な空間が広がる。


本コレクションで注目したのが、ブラジル・サンパウロのサッカーブランド「ペナルティ(Penalty)」とのコラボレーション。学生時代にサッカー部に所属していた私にとって、「ペナルティ」は懐かしいブランドであり、サッカーとファッションの融合が見られるのはサッカーファンとしても嬉しい限り。


2種類のアイテムがドッキングしたコラボウェアは、渋いカラーの組み合わせが惹かれる。別の色の組み合わせもあり、そちらはエンジの色がコントラストを描く。また、トップスではゲームシャツタイプのデザインも発表されていた。



アウターではベンチコートを彷彿させるデザインが印象的。暖冬になり、ロング丈のアウターを発表するブランドが減少してきたが、なんだかんだで冬は寒いので、寒さを凌げる着丈と機能性のアウターは欲しいところ。

「ペナルティ」とのコラボアイテムで、一番気になったのがスニーカーだ。最近は「アシックス(Asics)」のようにテック型のフォルムデザインも好きで履いているが、本来はシンプル&スマートなフォルムのスニーカーが好みなので、コラボスニーカーのデザインには目が止まる。特にネイビーとベージュのカラーコンビネーションがよかった。

靴紐は2タイプ用意され、一種類は「ペナルティ」のロゴがプリントされている。どちらかお好みの方を履くというわけである。ロゴ入りの紐はフィーディーでも展開されていた。

「ペナルティ」とのコラボアイテムで使用されたドッキングのテクニックは、スカジャンでも使用される。


特に後ろ身頃が迫力あるデザインに仕上がっている。今回、注目していたのは「ペナルティ」とのコラボレーションだったが、展示会で実際に服を見た時に最も迫力を感じたのが、このドッキングのスカジャンだった。ショーにも登場した一品である。

スレンダーなシルエットが登場し始めた今なら、細身のパンツとは合わせたくなるスカジャン。ジーンズもいいだろうけど、クラシックなトラウザーズと合わせ、あえて文脈を外すスタイリングも良さそうだ。
「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス」は、志鎌英明デザイナーがサッカーを経験していることもあり、サッカーをモチーフにしたデザインがしばしば発表される。世界で最も人気のあるスポーツと言われ、市場規模も大きいサッカーだが、ファッションの主役になることが少ない。数年前にトレンドとして世界中に波及した、イングランドのサポーターに端を発したブロークコアが、ファッションで最も大きな影響力を与えたサッカースタイルではないだろうか。サッカーとファッションの融合には、まだまだ可能性があると信じている。
2025SSシーズンから発表の場はミラノへ。クラシックでセクシーなファッションが主流のミラノで、「チルドレン オブ ザ ディスコーダンス」のストリートウェアは異端とも言えるだろう。サッカーに例えるならアウェーとも言える場所で、どんなコレクションを発表するか楽しみだ。ファッションはメインストリームにカウンターを仕掛けてこそ面白い。
Official Website:childrenofthediscordance.com
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