今年3月、青山にブランド初の旗艦店をオープンした「キャプテン サンシャイン(Kaptain Sunshine)」。本日は2026SSコレクションの展示会に伺ってきた。会場を見渡し、ラックに掛けられた服を見るなり感じたのは、空気感の心地よさ。素材の色と質感、抑制の効いたデザイン。いずれも穏やかでありながら、服は静かに存在感を主張していた。
最初に見たアイテムはニットウェア。肌触りが優しい素材は、ニュートラルカラーがメインで視覚にも優しい。ラックの先頭に掛けられているのは、英国のニットブランド「ジョン スメドレー(John Smedley)」とコラボアイテムだ。

ポロシャツタイプのウェアは、素材が薄手で滑らか。ポロシャツ型は他にも数多く展開され、優美なシルエットを実現する一着は夏に着たくなる魅力があった。
シャツも多くのバリエーションが展開されていた。過剰なディテールもシルエットもない。色と量感を味わう服が、キャプテン サンシャインのシャツだと言えよう。




ブルゾン、ジャケット、コートなどの重衣料も抜群の冴えを見せていた。

現在のキャプテン サンシャインは軽やかな作りで、アウター類も重々しさがない。ディテールは最小限に抑えられていることで、上品さが際立つ。

金ボタンのダブルブレステッドのジャケットは、直線的なカッティングが凛々しく、幅広いピークドラペルがメンズウェア王道のエレガンスを立ち上がらせる。ワイドなパンツにもスリムなパンツにも合わせられる、万能性を感じたジャケットだった。


キャプテン サンシャインのブルゾンやコートは外観はダンディなのだが、生地の質感と色、着用した時の服の見え方が若々しい。いや、厳密に言えば「若い」という表現は違う。やはり「軽やか」という言葉が似合う。
合繊素材を混紡したアイテムは、異彩を放っていたが、小気味いいシルエットがコレクションに馴染ませる。

デニムジャケットはアノニマスな魅力を放つ。個人的に試着して一番物欲を刺激されたのはステンカラーコートだった。黒とライトグレーで展開され、シルエットは丸みを帯びた形が柔らかく優しい。ライトグレーというよりも、白にグレーがほんのりと乗った色と言うべきだろうか。キャプテン サンシャインの色彩は、的確な表現を見つけるのが難しい。しかし、その繊細な複雑さが惹きつける。


数多くのアイテムが作られており、カジュアルもドレスもキャプテン サンシャインを選べば正解になる。そんな品格を纏っている服が並んでいた。
青山の旗艦店は入口が狭く、表参道駅からも少々距離がある。しかし、多くのお客が来店し、好調とのこと。駅から遠い距離を歩いた先に、この服が待っているなら着たくなるだろう。
若い人よりも、ある程度年齢を重ねた人にこそ似合う服ではないだろうか。キャプテン サンシャインにはそんな落ち着きがある。大きな変化がなくとも、微細な変化でも人の心を動かす服は作れることを証明するコレクションだった。
Official Website:kaptainsunshine.com
Instagram:@kaptainsunshine